〜股関節部・内側回旋動脈系〜
股関節頚体角・ねじれ等の構造的変位を除き血行障害、生活習慣、運動習慣等による痛みや可動域制限があった場合。
各筋の働きを支える神経・血管・リンパ系の障害を少し考える。
解剖学書には大腿内側筋膜区分の垂直断面図が示され、神経枝・大腿深動脈と内側回旋動脈の吻合が筋の配置断面図とともに描かれている。
静脈系は省略されているものの、ほぼ伴行するものと考えられ、リンパ系はやや粗くなるのだろう。
特に、閉鎖神経後枝は短内転筋と短内転筋に挟まれ膝関節へ向かうこと、同時に貫通動脈は大内転筋と短内転筋の双方を貫通しなければならない枝が存在することが重要なのではないか。
圧迫と絞扼。
それに深く関与するであろう運動不足を含めた生活習慣。
生活習慣に含まれるであろう殿筋系の収縮不足。
その他、骨盤周囲筋も同じくかな?と推測。
部位は違っても、伸長を拒もうとする場合のみの筋収縮では悲鳴をあげていそうな野球ピッチャーの棘下筋・小円筋・広背筋・菱形筋・上腕三頭筋等の修復と考え方の方向性は同じ?
ただ、一旦障害が起き始めると、重量と可動性が大きな部位だけに大腿直筋起始部等の局部的な痛みの解決で終わるものではなさそうな気がする。
日常的な軽度の運動習慣が大切といわれる所以の一つかもしれない・・・。
PDFはスネル臨床解剖学第3版 訳山内昭雄 メディカル・サイエンス・インターナショナル様より